漆掻きについて

祖父 須藤三郎が退職後、同じ高郷村の田部一さん(お孫さんの田部康喜さんが朝日新聞の記者で日曜版に掲載2001.2.4)よりご指導を受け漆掻きを覚えました。田部さんは元々福井県のご出身で国鉄勤務だと聞きました。田部一さんは良く我家に来たことを覚えています。父万エ門は漆苗を栽培し、石川県や、福井県などに出荷していました。なお、田部康喜さんはソフトバンクの広報室長から同顧問として活躍しています。
孫の私も大学生の頃まで、見よう見まねで漆掻きを覚えました。幸い漆には負けませんでした。



写真は生前の祖父です。明治生まれで大変厳しく、情に厚い人でした。
最近(平成21年より)漆掻きを再開しました。会津の実家で進めています。
くろめなど漆液の調整をやりたいと思います。
いずれは、輪島や浄法寺に負けず、会津の地元産業の振興に貢献したいと考えています。

セット 曲鎌他県では皮むき鎌
えぐり(樹皮の厚い壮年か老年木に利用) 掻鎌、他県ではカンナと呼ぶ。
こぐり漆つぼより漆液を取り出すにのに利用。 漆つぼ
このほかに漆樽、油紙、えの油、ガソリン こぐり漆つぼより漆液を取り出すにのに利用。

            平成21年度 1回目 目立て

目立ての間隔は鉛直方向で約36〜40cm程度。曲鎌などをバカ棒にするとよい。1辺1cmちょっととすると25辺で約30cmですが、仕事の日程等で20辺行かない場合は30cmでもよい。形成層での樹液等のとおり道をふさがないように。
まず、下刈りを。何と言っても準備が肝心。6月初旬 曲鎌で表皮を削る
目立て。ちょっと失敗。漆掻き鎌で行う。 目立て。間隔は仕事可能な日数に合わせる。
漆鎌で黒皮をはぎ、写真のえぐりで赤皮を白皮が見
える程度の深さで一気にはぐ。
この写真は掻いた後。白い樹液がでる

          漆つぼの製作に挑戦

ホウノキを玉切りする。
完成の寸法は高さ6寸、直径4寸である。
底板はベニヤ板・または合板が最も良いようである。
こぐりで、つぼの漆を掻き出すのに、底板は水平な平面でなければならない。
ピス(pith)が腐っている。乾燥によって半径方向に対し収縮率が異なるため、合板にすることにした。 底部を合板を貼り付ける。白いのは、ボンド(酢ビエマルジョン)の初期。また、乾燥後、皮のそりは木工ヤスリで削る。
二つ作ってみました。右は、皮の反りをムリに戻した特一部折れてしまった。布で補修した。 布はこのように貼り付けました。いずれ漆という強烈な接着材で固まる。
麻布をよって周囲を補強する。 完成です。手をまくひもに布で巻く方法もあった。



問題が生じました。
時間と漆液の管理です。
6月より始めましたが、実家で漆掻きは土日の朝でさらに雨天時は漆かきはできません。郡山→高郷で1.5時間はかかります。
また、土日に町内会、子どもの行事等で6月は4回しか漆掻きができませんでした。そのため掻いた漆液が少なく樽には入れず瓶にいれました。
次に取った漆液をどうするかです。しばらくは「くろめ」などに利用しますが、出荷について考えなければなりません。
ある程度の量と質が必要です。

平成22年父が交通事故

平成22年6月に父が富山県朝日町で居眠りから交通事故を起こし首と胸の骨折で板東病院に入院しました。相手の方も骨盤を折るな大けがをし入院。
父に一方的に過失があったので、何度も見舞いに富山県に通いました。8月には職場で面倒を見てきた同僚が飲酒運転で逮捕。その後私自身の脳動脈瘤が脳ドックで明らかになり、12月に入院手術。とんでもない1年でした。そのため「漆掻き」は全くできませんでした。

平成23年震災・原発事故

3.11の東日本大地震、原発事故を迎えることになります。7月には大水害で只見川、阿賀野川が被害を受け、会津の土地も大きな影響を受けました。この間中古の軽トラを購入し、我が家の不要品を処分しました。

   
 わが家の前  小屋の片付け。
 
 古紙回収業者へ運ぶ  何年も放置してあった。ミキサーには蜂の巣が・・・
   
 周囲に放置してあった古タイヤ。処理にコストがかかる  阿賀野川の復旧で水位を下げた様子
震災の年7月の水害で、漆畑は流された ここから下は崖
えぐり取られた河岸

平成24年9月父萬エ門が亡くなる

父が6月上旬に腰の痛みを訴え入院。そのため漆より離れることになりました。検査の結果、胃がんが骨に転移し、「年明けまで持つかどうか」が医師の診断でした。9月に父が他界し、翌年の平成25年4月より、会津坂下町に転勤になり少しずつ祖父や父の残した仕事をし、退職後の準備にかかりました。

   
 漆掻き再開  軽トラに積んだ機械達が動かないよう、木枠を作りました。
   
STIHLのチェンソーMS-240   漆坪の固定。これで安心。漆壺は俺の失敗作。うるし坪を入れるより一升瓶を入れることが多くなった。
キャリイ もう12年経過する。 漆畑 

漆掻き道具の鍛冶に挑戦

漆掻き道具を作っていた、青森県田子町の中畑さんが体調を崩し仕事を休んでいるという噂がありました。そのため、漆掻きを普及させるには自分で作るしかない。・・・というわけで新潟県の鍛冶道場に行ってきました。

 
 新潟県三条市の鍛冶道場を見学  コークスを焼く台。釜とよぶかコンロと呼ぶか。
   
送風する空気はホースで箱の中へ。  コークスが燃えている 参考になりました。
 12月にスノーラッセルをつけました これで除雪はばっちり

新潟の鍛冶道場を見学。ご指導ありがとうございました。
そういえば、大学の馬術部に装蹄師さんがコークスとアンピルを使っていたのを思い出しました。簡易な装置でしたが、持ち運びに便利でないと仕事になりません。
そこで、もっとコストをかけずにできる携帯型鍛冶道具を作ることにしました。

   
 ビバホーム製造のブロア。流量調整が可能。  さすが。ブラシもちゃんと付属
   
  卓上ボール盤も購入しました。  切断したアングルで
   
 完成です。
耐火煉瓦で囲み、薪、木炭、コークスと燃焼。ブローの働きはすごい。 すててあった 異形鉄筋で試してみました。
コークスはちょうど良い状態です 5mmにドリルで空けた穴に直接風を送る。
次回ははさみを作ろう。 鍛金、常に鍛金。楽しいな・・・・火力が弱い


      改良型火床の作製

作業台 万力と安く購入したグラインダー 組み立てて構造を練る。
とにかく型枠を作ることにしました 型枠を組み立てる。釘はパイプを安定させる。
パイプはこのようにおく モルタルを練る
剥離剤としてオイルを塗る。 モルタルを打ち込み養生する。
型枠を外す。 編の部分をベビーサンダーで取り除く
京都の焼鳥の山田よりロストルを購入 上に鉄板をおき、ロストルを置き直す
耐火煉瓦をセットする。 コークスを燃やすと、通風口の向きが鉛直でないために火にムラがでる。
通風ボックスを密閉させブロアの空気をおくる。 ブロックや煉瓦を移動して調整ができるようにする。
火力は十分で1400℃以上になると考える。漆掻きの道具ならこれで十分。ただし、暑い。服は穴だらけ。
今度はスプリングハンマーをそろえよう。


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